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映画『容疑者Xの献身』がテレビ放送されるということで、
ドラマシリーズでハマり原作まで買いそろえたほどの『ガリレオ』フリークである私が原作との違いなんかと比べながら、解説していきたいと思います。
■あらすじ
※トリックについてはあまり触れないつもりですが、ネタバレが気になる方は注意した方が良いかもしれません。
事件は三月上旬に起こった。
別れた後もしつこく付きまとってくる元夫富樫慎二(長塚圭史)を喧嘩のはずみで殺してしまった花岡靖子(松雪泰子)と中学生の娘美里(金澤美穂)だったが、
事件の隠蔽に協力を申し出ては隣に住む天才数学教師石神(堤真一)だった。
そして3月11日、旧江戸川で死体が発見される。
警察はこの死体を富樫慎二だと断定し母子に疑いの目を向けるのだが、
石神の出した指示は的確だった。
警察は今一歩の決定的手がかりをつかむことが出来ず、
刑事一課の内海(柴咲コウ)はいつものように天才物理学者湯川=通称ガリレオ(福山雅治)の元へ助けを求める。
湯川は当初、特に怪奇現象が絡む事件でもないので深く関与しようとはしなかったが、
捜査線上に石神が浮かび上がってくると何か不吉な予感を感じ単独で捜査を始める。
石神は湯川の帝都大学時代の親友とも呼べる人物だったのだ。
「石神が関わっているとすれば、この事件は一筋縄ではいかない」
そう警告する一方で、やはりどこかでそんなことは起こってほしくないと祈る湯川。
やがて事件は予想もしなかった方向へ進んでいく……
これまで常に冷静に、極めて論理的に謎を解いてきた”ガリレオ”が珍しく複雑な感情を見せるのがこの作品の特徴です。
またその湯川の親友石神は湯川に輪をかけて感情に乏しい人物として描かれているのですが、
その石神の花岡親子に対する深い献身的な愛には背筋がぞくっとするような何かを感じるほどです。
こう書くとストーカーみたいな感じになりますが、それとは違うもっともっと深く哀しい何かです。
この感覚は見てみればわかります!笑
■映画と原作――登場人物
映画ではドラマシリーズからお馴染みの柴咲コウ演じる内海刑事という人物が探偵であるガリレオの助手のような役割をしていますが、じつはなんと原作では最初そんな人は存在していません。(驚愕)
北村一輝演じる草薙という刑事がガリレオと大学時代の同期で、いつも彼とガリレオの二人で事件を捜査していました。
ちなみにドラマ、映画にもこの草薙という刑事はちゃんと出ています。内海刑事の先輩役としてですね。
余談ですが、内海刑事は後に晴れて原作にも登場します。(しかし、なぜか彼女が登場したエピソードはドラマでは今度は吉高由里子が演じるさらに後輩の刑事にとってかわられてしまっています。笑)
そして大きな違いといえば石神の人物像です。
堤真一演じる石神はどこか鬱屈としていながらもそれがいい渋みになっているナイスミドルですが、原作の彼はそんなイメージからはかけ離れた描写をされています。
大学時代のあだ名は「ダルマ」。あだ名の要因はいくつかありますが、体型もその一つであることは言うまでもありません。加えて歳をとり髪が薄くなっていて、とても女性に好まれるような容姿とは言い難い、とされています。
原作では石神が湯川に対してそういった自分の容姿を気にした発言をしたことが思わぬ展開を見せることになるのですが、これは堤真一が言ってもいまいち重みに欠けますよね笑
石神の行動原理とか仕掛けの中にもその容姿だからこそだったりするものもあるので違和感を感じるんじゃないかなと思いきやそこは堤真一。
流石の演技力で雰囲気なんかはしっかり掴めていて、しっかりその違和感もカバーできているかなと個人的には思います。
■以上を踏まえての見どころ
流れとしての見どころというか面白い点は、
常に冷静に、論理的に事件を解決してきた探偵ガリレオが見せる複雑な感情、人間らしさを見せているところだと思いますね。
原作シリーズの中でもその点で異色な作品なのですが、映画もテレビシリーズにあったような数式を書いて事件を解決する演出がなくなっていたり本格推理物ののようになっています。
そしてズバリ見どころのシーンはと聞かれたらここしかないというものを一つ。
ラストのすべてトリックが破られたそのときです。
原作で読んだ時、文字だけでも胸に突き刺さるような思いをしたこのシーン。
生身の人間が演じている姿を見るとこれもまた来るものがありますよ。是非最後までしっかり起きてみてください!笑
と、ここまで熱く語ってしまいましたがいかかでしたでしょうか。
今度の土曜プレミアム劇場でぜひ見てくださいね!!
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