読書感想文 魔女の宅急便~映画と小説~

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魔女の宅急便

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■この物語と出会った時期

私がこの物語の存在を知ったきっかけはジブリの映画でした。当時の同級生が「あの小説、大好きだったんだよね。」と口にするのを聞き、自称文学少女だった私はなんだか悔しさを感じたのを覚えています。

■キキはなぜあの町を選んだのか。

主人公のキキは小説の中でも、映画通り大人になるための儀式で旅に出る。
「ふ~ん」
私たちならせいぜい20歳前後が親元を離れる時期なのにさ。偉いね、キキは。
自分の気持ちに沿い住みたい町を選んだキキは、小説でも映画でもその好きな町で幸せになろうと奮闘します。そして、そんなキキの周りには彼女を応援する友人・知人が集まります。

■魔女なのに使える魔法は飛ぶだけなのか?

映画の中でさっそうと空を飛ぶキキ。小説でも同じように飛ぶことが得意ですが、使える魔法がキキの成長とともにひとつ増えます。「できること・楽しいこと以外したくない」という幼さかったキキでしたが、大人になる過程で自分の中を流れる魔女の血を大切にすることや友人・知人を助けるために苦手だった薬の作り方を覚えます。そういうことって、私たちが大人になる過程でも(もちろん大人になってからも)見られる行動だなと、私は共感しました。

■少女が大人になるまでの成長物語

色んな出来事が一度に起こり、終始わくわくする気持ちを持てた映画。原作は数巻続くお話です。子供だったキキが、色んな人と出会い体験を重ね、大人の女性へと成長していきます。映画通り元気いっぱいのキキも、女子高生や中学生時代に女性が感じるような気持ちや経験をするキキも見ることができます。
もし、演出の違いを指摘するなら小説に派手な飛行船のエピソードは出てきません。登場する脇役らの個性も異なります。
ただ、物語の本質の違いを指摘するなら、主人公のある一時期を切り取り描いたのがジブリの映画で、主人公が大人になる過程を書いたのが小説だと思います。
最近は文庫も出ています。大人の女性は自分の子供時代、子供ならこれからの姿を思い浮かべ楽しむことができるお話です。

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